専門学校3年次編入学・専門学校で勉強して大学に編入する方法について解説
専門学校で勉強して大学に編入する方法
専門学校で勉強して、大学3年次に編入する方法について解説します。大学で学ぶためのルートは一般入試だけではありません。専門学校で勉強して「専門士」の資格を取得し大学3年次に編入、順調にいけば大学に2年間在籍して卒業することができます。この方法なら、高校からストレートで合格した学生たちに後れをとることなく卒業できます。予備校に通うと、浪人した年数分だけ後れをとってしまいますので、大きなメリットです。もちろん、編入試験はそれなりに高度な知識が要求されることは確かですが、専門学校でしっかりと準備をして臨めば、それほど恐れることはありません。毎年、一定数の人が編入学試験に合格しています。ここからは、専門学校で勉強したあと、大学3年時に編入する方法について、そのメリットなども含めて解説していきます。
大学3年次への編入学とは
大学3年次への編入学とは、試験を受けて、文字通り、大学3年次に編入して学習することです。編入学試験を受けるためには、試験を実施する各大学が定める受験資格を満たす必要がありますが、一般的には「専門学校卒業、もしくは卒業見込み」「高等専門学校卒業、もしくは卒業見込み」「大学卒業、もしくは卒業見込み」「大学2年次を修了、もしくは修了見込み」とされています。大学によっては、3年次への編入学ではなく、2年次への編入学を受け入れている場合もあります。
編入学は、テストにより編入の合否を判断する「一般編入」と、大学側が付属の短大などの学生に対して募集枠を設けている「推薦編入」に分けられます。
国立理系では、高等専門学校の学生に対して推薦入試を行うこともあるようです。また、最近の潮流として「自己推薦」「AO入試」などを行う大学も増えています。
大学3年次への編入学は、すでにご紹介したように、スムーズにいけば、専門学校入学から4年での卒業が可能ですが、必要な単位を2年間で取得しなければならないため忙しくなることは確かです。就職を見据えると、編入した3年次には活動を始める必要があるので、それ相応の覚悟は必要です。
一般入試との違い
大学3年次への編入学試験は、すべての大学で行われているわけではありません。通常は欠員を埋めるために行われる試験です。一般入試とは異なり、毎年確実に募集が行われると決まっているわけではなく、募集人数も年度により増減します。そのため、編入学試験の受験を希望するなら、常に大学のホームページやソーシャルメディアをフォローするなどして情報収集する必要があります。しかし、それにしても編入学試験は、一般入試と比較すると情報は極端に少なくなりますので、独学で目指す以外の選択肢も考慮したほうがいいでしょう。
大学3年次への編入学試験には、一般入試と異なり専門となる科目の出題があります。年度の途中で入学するわけですから、専門科目についての基本的な知識については身に付けておかなければならないのです。
大学1年、2年で学ぶ内容も試験には含まれますので、独学するにしても、専門学校で学ぶにしても、専門科目に対する準備は欠かせません。
大学3年次への編入学試験を目指す場合は、編入学試験へ向けての準備をしながらも、専門学校、高等専門学校など、を卒業するための課題もこなす必要があります。これは編入学試験の受験資格でもありますので、必ず克服しなければなりません。
大学3年次へ編入学する方法
大学の3年次に編入するためには、すでにご紹介しましたが、受験資格を満たした上で、一般編入学試験を受験するか、推薦編入の出願をする必要があります。編入学試験に自力で挑戦する場合は、すでに高等専門学校や短大卒などにより受験資格があると解釈し、ここでは現在、受験資格を持っていない場合に大学3年次への編入を狙う方法をご紹介します。
現在、受験資格を持っていない場合、現在すでに大学生である場合を除くと、高等専門学校、短大、専門学校のいずれかに入り、まずは受験資格を取得しなければなりません。これらの学校に通い卒業(見込み)の状態なら編入学試験の受験資格が生まれます。(専門学校の場合は2年制以上で、授業時間数1700時間以上)
ちなみにこれらの学校に通いながら編入学試験へ向けて準備をするわけですが、希望する専攻によっては、これまでに同系列の学問を学んでいない場合、3年次ではなく2年次に編入する大学もあります。また、編入試験対策を考えれば、いくら卒業することで受験資格が得られると言っても、専門科目の勉強は必須です。なぜなら、後ほど詳しく説明しますが、専門科目は編入試験に一つの科目として含まれているからです。この点を考えると、特定の学部や学科を目指す専門学校を経由して編入学試験を受験することがもっとも効率的だと言えます。
専門学校から大学3年次に編入する
特定の学部や学科への編入を目指すのであれば、専門の科目を学びながら準備のできる専門学校はメリットの多いチョイスです。高校を卒業後、直接専門学校に入るのであれば、フルにそのメリットを活かすことができます。専門学校から大学3年次への編入を目指す場合、もう一度触れておくと、2年制以上で、授業時間数1700時間以上の専門学校を卒業することで得られる「専門士」の肩書きにより受験資格を得られます。もちろん大学によっては受験資格を限定しているところもありますが、専門の科目を学ぶ専門学校では、その心配をする必要はあまりありません。専門学校から大学の編入試験を目指す方法にはいくつかのメリットがありますが、そのメリットをご紹介する前に、編入学試験の中身について少しご紹介しておきます。
編入学試験で出題される内容
編入学試験の試験科目は、多くの場合2科目+面接です。ほとんどの学校で、必ずと言っていいほど採用されているのは「英語」です。さらに「専門科目」もしくは「小論文」のどちらかが試験に出されます。大学によって出題傾向には違いがあるので、過去に出題された問題を解いておくことは欠かせません。そして当然ながら面接対策も十分に練っておく必要があります。
- 英語
- 英語はほとんどの学校で採用されている科目の一つですが、その出題を見てみると、3タイプに分けることができます。
- ① 長文タイプ
- 長文を中心とした英語の読解力が主に問われ、翻訳、言い換え、穴埋めなどの設問にプラスして作文を課せられる場合もあります。
- ② 専門タイプ
- その受験学科に関する内容の英文を訳したり、要約したり、といった形で出題されることが多く、経済学部、法学部などではこのタイプの出題が多いようです。
- ③ 一般入試タイプ
- 一般入試のように、英語の総合力を問う出題で、たとえば文法や発音、長文など、基礎的ながらも幅広い問題が出されます。このタイプは、編入学試験ではあまり使われませんが、総合力が要求される文学系などの学部の場合は、このタイプでさらに難易度の高い問題が出されることがあります。
- 専門科目と小論文
- 専門科目は、その科目に関連したトピックについての論述が求められることが多いようです。時事や理論で分けられることが多いのですが、その両方から出題される場合もあり、過去の出題傾向をつかんでおくことが大切です。
たとえば時事においては、科目に関連する時事トピックに関して意見を求められます。そのため、日頃からニュースや時事の話題をフォローしておくことが大切です。理論では、基本が問われることがほとんどなので、対策としてはその科目の基本書を読んでおくことが大切になるでしょう。
このような論述を求められる試験では、的確にわかりやすい文章を書くことが大切。そのため、「序論」「本論」「結論」という3段構成にこだわりましょう。これは大学に入ってからも役立つものなので、入学前に身に付けておくことをおすすめします。
- 【序論】
- その論文の導入部分であり、その全体像について紹介します。この論文がどのような意図で書かれているのか、どのような議論になるのか、などをシンプルに説明します。ちなみにこの序論の部分に「結論」を書いてしまってもまったく問題ありません。序論だけを見ても全体の内容がわかるように書きましょう。
- 【本論】
- 詳しい自分の主張を、裏付けになるリサーチ、実験などで固めていきます。本論は一つのパートにしなければならないわけではなく、いくつかのパートに分かれてもかまいません。しかし、わかりやすくするために、必要なこと以外は書かないようにしましょう。あくまで本論は主張を数々の証拠により確固たるものにするパートです。
- 【結論】
- 論文を締めくくるパート。本論において固めてきた主張を要約して、「だからこのような結論に達しました」という形にします。
- 面接
- 編入学試験を目指すにあたり、対策が難しいのがこの面接です。面接の重要度は高いのですが、特に実際の面接の際に参考にされる「志望理由書」は、シンプルにわかりやすく書く必要があります。志望理由書に記入するべき内容は大きく分けて4つです。
まず「志望の理由」。志望理由書という名前のとおり、なぜこの学科で学びたいのかを明確にしましょう。
もう一つ志望の理由として、なぜこの大学を志望するのか、ということも書いておきましょう。学びたいことと関連させて、純粋にこの大学の魅力などを語るといいでしょう。偏差値や知名度の話はNGです。
つづいて、学習に関するスケジュールや研究したいテーマも書いておきましょう。さらに大学で学んだあとの将来像に触れます。 この志望理由書の内容にしたがって、面接のシミュレーションをします。間違っても志望理由書と矛盾する内容の受け答えをしないように、繰り返し行うことが理想的です。専門に関すること、時事ニュースに関することなどが質問されることもありますので、Googleのアラート機能などを利用して、普段からニュースをフォローしておくことも大切です。
専門学校から大学3年次編入を目指すメリット
専門学校から大学3年次への編入を目指す。かんたんなことではありませんが、大学で高度な学問を学ぶわけですから、それは当然のこと。それでも一般入試よりも数字的には入りやすいことは確かです。専門学校では、その道のプロフェッショナルが指導する下で合格を目指せ、さらにいくつかの大きなメリットもあるのですから、自信を持って学習に臨みましょう。ここからは、専門学校から大学3年次への編入を目指すメリットについてご紹介します。高校からストレートで大学には入れなくても悲嘆に暮れる必要はありません。このルートは、一般入試で志望校に入れなかった人だけでなく、浪人中の人にとっても適しています。
- 編入学試験対策
- 編入学試験は、出題傾向があまり表に出てこないので、その対策をとることが難しい試験です。また、編入試験では面接試験もありますが、その対策も重要です。なるべく多くの情報を得て、準備万端整えてから試験を受けることが望ましいのですが、独学では正直、かなり難しいと言わざるを得ません。専門学校に通うことで、この情報不足による対策の失敗は避けることが可能です。専門学校では、経験豊富な講師が在籍しているほか、特定の大学の編入学試験に関するデータなどもありますので、学生のレベルに応じた志望校選定に加え、その志望校の出題傾向に合わせた対策をとることも可能です。また、志望理由書の書き方をはじめとする面接試験へ向けての指導も行っているので、効率よく、自信を持って学習を進めることができるでしょう。編入学試験対策は、専門学校で学ぶ大きなメリットの一つです。
- 最短4年で大学卒業
専門学校から大学3年次に編入すると、大学で学ぶ期間は最短で2年。専門学校に入ってから編入までは最短で2年ですから、専門学校入学から最短計4年で大学を卒業できる計算になります。高校卒業直後に専門学校での学習をスタートした場合は、一般入試を現役で通過した学生たちといっしょに卒業できることになります。
予備校に通い、一般入試を受ける場合は志望校に最短(1浪)で合格した場合、卒業まで5年。現役で合格した学生たちからは、浪人した年数だけ遅れての卒業となります。
専門学校では、大学のカリキュラムについていくため、専門的な内容も学習します。予備校に通う、また独学で目指す場合は編入試験まで半年程度しか時間がとれない場合がほとんどですが、専門学校で学ぶ場合は1年半程度の時間を有効に利用して対策をとることができます。- 学費が比較的安い
- 専門学校で学び、大学3年に編入すると、大学で学ぶ期間は最短2年。もちろん専門学校で学んでいるわけですし、取得しなければならない単位もありますのでお金がかかることは確かですが、トータルで見ても普通に4年制大学に入学し、卒業した学生と比較しても、編入時の入学金がかかる程度で済ませることが可能です。
専門学校で勉強して大学に編入する方法・まとめ
専門学校で勉強して、大学の3年次に編入する方法について、そのメリットや、編入試験の内容についてご紹介してきました。大学で勉強するには、一般入試がもっとも一般的な方法であることは言うまでもありません。しかし、その他にもいくつかの方法があり、中でもメリットが多いのが、専門学校を経由し、大学3年に編入する方法なのです。この方法なら最短、専門学校入学から4年で大学を卒業可能で、将来目指している自分の姿がはっきりしているのであれば、最速で社会に出られる方法です。専門学校は、大学への進学を目指す学生なら、誰もが考えるべきルートだと言えます。
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